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APRS(アマチュア無線の位置情報システム)使ってみて

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現在地を自分だけが知る
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 登山者が 山中で ふつう おこなうのは 現在地を自分だけが 知るということ。

それには 登山の基礎技術として 地図 磁石を使った 読図 地形判断 ルート保持 の技量をしっかり 磨いておくことが まず大前提。

山中で自分の居場所 現在地を 常に 着実に把握し 地図 磁石で読図 地形判断し 位置を確定する。

ときには 補助的に 地図機能のついたGPSなど 使うのもいい。

遭難パーティーなどで よくあることだが パーティーが ちりじりバラバラに空中分解していく過程があったとしても 最終的にパーティーのメンバーが 各自 自分自身で 自分の現在位置がわからなくてはいけない。

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自分の居場所を 限定公開
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自分の現在位置がわかったとして 現在地を 誰かに 伝えるか どうか?

もし 広く 一般に公開するのは プライバシーの面で抵抗を感じるかもしれない。

緊急時でない 平常時 とりあへず ほかのメンバーに  限られた 知り合いや 友人に こっそり 口コミはじめ メールや SNSなど使って 他人が 知ることができるようにする。

機能制約したうえで 山の中で 登山中に限りという 制限をつけて現在地を限定公開するケースだ。

ただ 限られた情報公開では うっかり見落とされてしまいがちだ。

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なぜ 一般公開する必要があるのか?
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航空機の場合を見てみる。

空を飛ぶ 航空機の現在位置を公開することは 他の航空機との衝突を避けるなど 空の安全には大切なことだ。

ASR ARSRとSSR ATCトランスポンダ

空港周辺(ASR とSSR) や 航空路を監視する高い山にある エンルート用のレーダー(ARSRとSSR)で 高速で 飛んでいる航空機の 刻々と変わる位置をレーダー上で捕捉。

空の交通整理のために 航空管制官は 航空機を把握し識別するために ため ATCトランスポンダ(民間航空用)スクォーク (SQUAWK)をつかっている。

SQUAWKは 民間航空機に 4桁の識別数字(8進法4桁 0-7)を与えて 航空管制のレーダー上に 民間航空機を4桁の数字(0-7)で表示する。

また 航空機衝突防止装置 や 空中衝突防止装置 TCAS Traffic alert and Collision Avoidance Systemでの ADS-B transponderを使ったFlightradar24などが公開されている。(ただし 古い型の機種は見れない)

昨今では 民間ベースの以下のウェブサイトで 刻々と 飛んでいる航空機の動きがわかるるようになっている。なぜこうしたサイトが出てくるのか?

Flightradar24
https://www.flightradar24.com/33.67,137.34/7

FlightAware
http://ja.flightaware.com/live/

地上でも わかるが スマホなど 機上でも 他機の動きがわかるのだが 一般乗客には機内では 電子機器に使用制限がある。

2014年 インド洋上で行方不明になったマレーシア航空機の捜索では GPS位置通報情報などあったものの 結局 詳細がわからず いまだ行方不明だ。

とかく 航空機の場合 航空管制上 をはじめ 万が一の航空機事故を考えると 地上側で 航空機の 現在位置をリアルタイムに 把握し それを一般公開していくことは たいへん意味のあることなのだ。


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「すすめしらせ」 南極観測船「しらせ」2016年
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船舶にも 日本国内には 船舶自動識別装置AISがあり 東京湾 伊勢湾 瀬戸内海など 海上交通センターなど配置された 混雑する海域などで有効に機能している。

 遠く 南氷洋は AISの守備範囲ではないが リアルタイムに現在地を しらせること 現在地を公開することに意義がある場合として南極観測船「しらせ」の「すすめしらせ」がある。

http://www.nipr.ac.jp/jare/shirase/

このウェブサイトでは 南極観測船「しらせ」 日本から南極までの 長い航海中 現在地を 知らせている。

しらせの 現在地をしらせることには いろいろな役割がある。



2016年の南極観測船「しらせ」は 無事昭和基地に着岸 できたが、昭和基地からの帰途、急遽 アフリカ 喜望峰沖にいったり 再び 南極に戻って 座礁したオーストリア隊の救援活動を行って 別の基地に 豪州隊員を無事 おくりとどけたりしたりした。

過去には 厚い氷に阻まれ 昭和基地に 到達できなかったことなど よくあることで、帰途 座礁し 動けなくなったり 船体を損傷したこともあった。

南極など 極地では いったい何が 起こるかわからないほどの 過酷な試練が いつも待ち構えているのである。

日本国内では 心配している留守家族もいるだろうし 国内にいる 様々な関係者とか 南極にいる昭和基地の越冬隊など 越冬隊の生命線である「しらせ」の動きは 気が気でないだろう。

また 他国の観測隊にも 「しらせ」現在地を ひろく知らせるのも 大事なことなのだろう。

2016年4月九州地方で 大きな地震があり 大規模な 山腹崩壊で 不幸にも 多数のかたが行方不明になった。

日本国内の 高山 低山ともに 極地でもなくても 想定外の危険要因は たくさんひそんでいる。

自然を相手にすれば 思いもよらぬ 想定外の危険な目にあう可能性も出てくるかもしれず つねに 現在地を広く公開する 必要性は十分にある。


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山中で自分の居場所 現在地を リアルタイムに 広く一般公開する
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山中で自分の居場所 現在地をリアルタイムに 公開しておくことは 山岳遭難対策の面で 大切なこと。

が同時に 広く一般公開するとしたら、まず 気になるのは プライバシー 個人情報の面での懸念が気になる。

個人情報保護の面で 山の中で 登山中に限り いろいろな制限をつけて現在地を公開するにはどうしたらいいか?

グーグルストリートビューでも個人情報に気をつけて運用されている。

具体的には 登山者の 現在地を 駅から バス停から 登山口からとか 登山口 バス停 駅までとかにして 自宅など 駐車場などの場所は 非公開にする。

もし 夜間の幕営場所を非公開にしたいなら その付近手前でとめて GPS精度を荒くするなどの対策をしておく。

現在位置については 気をつけて 運用すれば プライバシーや セキュリティーの面での問題をクリアーできるだろう。 

山中で自分の居場所 現在地を リアルタイムに 広く一般公開したら 山中での道迷い 行方不明 万が一の不慮の 遭難にも 的確に 対応できることになる。

現今 スマホ 無線機器など 手軽に手に入れられる機器を活用し リアルタイムに 現在位置を 公開する方式として いろいろな やり方が 考えられる。

現在位置を 公開するいくつもの方式が あるなかで これは 山中でも 広く 使えて いいのではと と強く思う のは アマチュア無線のシステム をつかったAPRS(Automatic Packet Reporting System)だ。

APRS(アマチュア無線の位置情報システム)2015年6月から使いはじめた。

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【APRS 山岳運用に使える】
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2015年6月からアマチュア無線の位置情報システムAPRS(Automatic Packet Reporting System)を 山岳地帯で 本格的に 使っている。

使用して 一年経過して 感じたことは

 アマチュア無線144MHz帯、431MHz帯、の電波伝搬特性は 小出力のハンディ機でも 極めて良好だということ。

携帯電話の電波が届かない圏外エリアの多い山岳地域でもリアルタイムに 位置情報を送信できるのは アマチュア無線ならではの強みだ。

 ふかい山岳地帯でも APRS運用ができ 確かに APRSが リアルタイムに 位置情報公開して 有効に機能しているのを この一年実感してきた。

APRSは デジピータ、I-GATE中継局、コアサーバなど 多くのアマ無線家、先輩方の皆様の ご尽力・ご支援のもとで 維持運営されている位置情報システム。

 毎回運用には アマ無線家の ネットワークを しっかり使わせていただき、たいへん お世話になり みなさまに深く感謝する次第。ありがとうございました。


http://ja.aprs.fi/

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【APRS準備編 開局まで】
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APRS (Automatic Packet Reporting System)

2015年3月14日の「道迷い」シンポジウム で 山岳遭難対策にも有効と 話題にあがった APRS (Automatic Packet Reporting System)。

前々から これは 興味深いと 思っていたので 早速やってみることにしたが、 アマ無線の無線従事者資格やアマ無線局開局申請など 手続き的に いろいろな段階があって 一つ 一つ 越えていく必要があった。

開局まで 二つ手続きが必要。

■「従免」 アマ無線の 無線従事者免許 (試験 または 講習)
■「局免」 アマ無線局 開局の 総務省からの 無線局免許状 (電子申請)

二つをクリアーし やっと APRSを使える 段階になった。2015年6月。

APRS(Automatic Packet Reporting System)は アマチュア無線の位置情報通報システムで 携帯電話の電波が届かないような地域でも運用できて 、リアルタイムに 位置情報を送信。

 APRSは 多くのアマ無線家、先輩方の皆様の ご尽力・ご支援のもとで 維持運営されている位置情報システムなので、あくまで アマ無線のマナーやルールを 遵守し 他に 迷惑をかけない運用を 心がけることが求められている。

いま 二つのやり方でAPRSを使っている。

JJ5MDM-7 アマ無線の電波を使う
JJ5MDM-5 携帯電話網を使う

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JJ5MDM-7 アマ無線の電波を使う
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人力移動のときには コールサインJJ5MDMに「-7」がつく。


「 JJ5MDM-7 」
http://aprs.fi/#!call=a%2FJJ5MDM-7&timerange=3600&tail=3600


JJ5MDM-7は山中でアマ無線の電波を使って位置情報を公開するとき。



使用機器 八重洲  FT2D
     ケンウッド TH-D72

 アマ無線初心者には どちらも 高性能すぎて とても十分 使いこなせていない段階。

高い山の上では かなり遠方からでも 電波の伝搬が可能で とてつもなく可能性があります。

初心者なりに 使用上の いくつかの 気をつけるポイントは

■APRSは ハムの皆様のおかげで運用でき、アマ無線のマナー、ルールを遵守。

■自分でいくら発信しても デジピーター局 アイゲート局に うまく 電波を拾ってもらわないといけない

■地形的な見通しで うまく 電波が通るところと そうでないところ つかんでおく

■ハンディー機で5W送信すると 電池消耗が激しい。

■強力な電波が飛び交っていると ハンディー機では微力。


2016年5月1日 JJ5MDM-7

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JJ5MDM-5 携帯電話網を使う
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ハンディー機の出力が微弱なので APRSdoroidを使用して 携帯電話の電波でネット接続 APRSをする場合 コールサインに「-5」がついて 「JJ5MDM-5」となる。

「 JJ5MDM-5 」
http://aprs.fi/#!call=a%2FJJ5MDM-5&timerange=3600&tail=3600


本来 アマ無線の電波を使うのが 本筋なのかもしれないが、アプリ自体 アマ無線のきちんとした コールサイン パスコードをもっていないと インストールできないようになっていて アマ無線家の皆様によって運営されているシステム。

谷間など電波が通りにくいところ デジピーター局 アイゲート局に うまく 電波を拾ってもらわないところ 強力電波の多いところ ではスマホアプリ「APRSdoroid」を使うと使用範囲が広がる。

携帯電話網を使うJJ5MDM-5 いろいろ 試行錯誤の末、

 2016年5月現在 JJ5MDM-5の APRSdoroidで使っている機器の構成は以下のとおり。



スマホ タブレット どちらもSIMなしで 使用し モバイルルーター通じて ネット接続。

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■SONYタブレット(WiFiモデル)Xperia(TM) Z3 Tablet Compact

■シャープ AQUOS PHONE ZETA SH-01F

この 二つは 防水型なので 天候気にしなくてもいい。

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APRSdoroidと 山旅ロガーを同時に動かしていると
時に フリーズしたりする こともあり
APRSdoroidと山旅ロガーとは分けている。

どちらも 「APRSdoroid」と 「地図ロイド」を 連続10時間以上 立ち上げつづけて 電池残量70パーセント以上 と電池のもちに満足。

ただし 省電運用のため 不要アプリなど だいぶアンインストール。

どちらのGPSも高性能で満足できるレベル。

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ネット接続は モバイルルーター使用

圏外の多い山中で スマホでテザリングすればスマホ本体のバッテリーが 急速に電源を消耗する。

モバイルルーターを使うほうが 電池消耗の面では いつも安心していられる。


■NEC Aterm MR03LN

格安SIM(データ通信専用OCN モバイル ONE マイクロSIM)をいれてドコモ携帯基地局とドコモ3G LTEの回線で通信
データは軽いので 格安SIM 月額900円(税込972円)コースで十分
私の通う山域では ドコモが 一番 通じやすい

こちらは10時間連続使用で電池残量15パーセント。
念のため 大容量モバイルバッテリー持参
数回以上 継ぎ足し充電可能。

これは 防水機能なし だが ザックの中に入れておけばいいので 問題なし


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JJ5MDM-5なかなかの実力で


乗り鉄で 新幹線のスピードでもOK


首都圏までの 新名神 新東名の高速道路でも シガーライターなど使わなくても 本体電池だけでOK


瀬戸内海 船上でも さまざまに使えます。


2016年5月1日 JJ5MDM-5

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「当てのない捜索は 東京ドームで10円玉を探すに等しい」

『すぐそこにある遭難事故 奥多摩山岳救助隊員からの警鐘』

金 邦夫 著 2015年5月21日初版 東京新聞

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山中での 万が一の場合にも
現在地を公開することによって 
いろいろな メリットがひろがってくる。


APRSだけ動かしていても 行き先がわからない。

さらに念のため
あらかじめ 電子登山計画書 電子登山届提出システムである「Compass コンパス」を 使用して届を出しておくことも大事。

http://www.mt-compass.com/index.php

さらに最終的には 電波で遭難者の位置を補足するヒトココ ヤマモリなど
同時に持参しておけば 安全対策の上で かなり 強力な武器になる。

http://www.authjapan.com/


本来 APRSは単なる位置情報システムというだけではなく メッセージのやり取りなどができ コミュニケーションツールとして有効なのである。さらにAPRSの機器の運用に習熟し 登山者への活用方法を研究していきたいと思っています。

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