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『生死を分ける、山の遭難回避術』

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『生死を分ける、山の遭難回避術』
「実例に学ぶリスク対策の基礎知識」

羽根田 治 著 誠文堂新光社 2017年4月13日


著者は 永年にわたり 遭難本を多数 執筆してきているが、この本では 初心者・経験者むけに 30の遭難実例をあげて、それから えられる貴重な教訓を適確にわかりやすく記述している。

「一般的に、山での遭難事故は、技術・知識・経験が不充分な初心者に多いようなイメージがあります。しかし必ずしもそうとは言いきれません。」

「逆に技術・知識・経験があるぶん、過信や油断、慢心を招きやすくなり、それが大きなミスへとつながってしまいます。」

登山歴ウン十年の自信過剰。体力過信。油断。天狗になる などなど、 多くの経験者にとっては 耳が痛いところである。

が まさにその通り、多くの 中高年登山者はまさしく加齢にともなって 体力低下はまぬがれないし、さらに 加齢に伴う、知ったつもりの はやとちり、思い込み、などの間違いに気づかない 傲慢さばかり増加するのものだ。

本書は「常に謙虚さをもって山に向かうことが大切」という 山に向かう基本姿勢を教えてくれる 一冊だ。

山岳遭難者の救助に向けた技術開発と今後の展望についてのセミナー

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山岳遭難者の救助に向けた技術開発と今後の展望についてのセミナー

平成29年5月31日 富山県民会館で開かれたセミナーに参加した。

総務省北陸総合通信局、公立大学法人富山県立大学、北陸情報通信協議会 が主催。

登山者の捜索救難に活用できる 最新の無線技術についての きわめて有益なセミナーなので 全国から かけつけた 大勢の山岳関係者や電子電波関係の参加者で盛会となった。

6月1日は電波の日。

 増加する山岳遭難対策として 迅速確実な捜索救助活動に 無線電波の利活用ができない ものだろうか というのが このセミナーの趣旨で、以下 当日の講演内容の一部を整理抜粋してみた。

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■捜索には 正確な位置情報 把握伝達が大事

山岳遭難で一番 多いのが道迷い。要救助者は 自身では 現在地が分からず、SOS通報受ける側にも 正確な位置情報がつかめない。

昨今 山岳遭難での連絡通信手段として携帯からというの多いが 道迷いはもちろんだが それ以外で 連絡通報するにも 正確な位置情報が分からず 救助要請しても 正確な位置が伝達把握できず、全く手がかりない、あてのない、捜索に途方もない労力と貴重な時間が費やされる。

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■山岳遭難統計外の多数の行方不明者

正式な山岳遭難統計の統計外であるが 老人徘徊などの行方不明者があり、多くは数日内に発見されていくのであるが 最後まで 発見できなず、 手掛かりも 全く つかめない 行方不明者が 毎年 多数あり、数字として はっきりしたことは よくわからないが、おそらくは 多分 山林など山間地に迷いこんだりして 多くの人が 行方不明になっているのではないかと推測される。

これは 山岳遭難統計に あらわれない 山岳遭難統計外の行方不明者で、山岳遭難行方不明者数の 何倍もあるのでは と推定される。

■登山計画、登山届

登山者が 的確な登山計画、登山届をしていて 計画どおり慎重な行動中にであっても やはり思いかけずに遭難に陥ることもある。

 遭難者に意識があったり 同行者がいて それなりの通信手段、連絡、伝言などが可能なら 行方不明は防げるし、捜索のエリアを限定することができ、捜索救助は迅速にできる。

だが実際には 登山届通りの登山ができず 途中変更したりして 計画外の行動とか 道迷いなどで 思わぬところで 遭難するケースが多々 有り、登山届だけでは 遭難対策としては 十分ではない。

■入山・下山者チェックシステム

登山道 登山者入口 登山口 途中分岐や 山小屋などの 要所、要所のチェックポイントで、 スマホ フェリカ ICカード などのワイヤレス機能を使い 登山者の通過をチェック確認するするシステムがある。

きめられたコースで間違いなく通過してくればくれればいいが 計画変更 道迷いなどでは、子機自体でGPS位置情報を獲得できないので 登山届の機能拡張して補完するまでの限定的なことしか 期待できない。

道迷いで 道を外れたりした場合などにも対応できる 子機自体で GPS位置情報をふくめた 電波を使った送受信システムが 欲しい。

■ヘリでの捜索救難には ピンポイント正確な位置情報がほしい。

2017年3月 9人全員死亡の まことに残念な防災ヘリの墜落事故があった。

が 昔と違い 昨今では やはり捜索・救助活動でのヘリコプターの活用は絶対必要だ。

 海外と違い 日本国内では 森林地帯でのヘリ探索救難活動が多く 木々に覆われた森林地帯での ヘリで上空からの捜索活動は とても難しく 困難度が高い。

もしかりに ピンポイントで遭難者の正確な位置情報が 把握伝達できていれば 上空から救難地点への ヘリの安全な飛行経路が確保できて 要救助者のピックアップや 行方不明者の捜索救難活動が もっと的確に 安全・確実・迅速に行える。

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「当てのない捜索は 東京ドームで10円玉を探すに等しい」

『すぐそこにある遭難事故 奥多摩山岳救助隊員からの警鐘』
金 邦夫 著 2015年5月21日初版 東京新聞

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■現在 様々な電波を使った いろいろな位置検知システムが提案・開発されている


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いま使われている 機器
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いま
山岳遭難で 使われている電波関連機器 問題点 課題。

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■通信手段としてよく使われる携帯・スマホ

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圏内エリア

要救助者が携帯・スマホの通話可能の圏内エリアから救助要請した場合、携帯・スマホのGPS位置情報も有効。

もし 遭難者が行き倒れになっても 携帯スマホの圏内エリア内 だと微弱ながら かろうじて位置情報がえられる場合がある。

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圏外エリア

奥深い山岳地帯では 電波の届かない携帯電話の不感の通話圏外のエリアとなる場合が多く 位置情報なども 伝達できない。

やはり日本国内の山岳地帯では多くが 携帯通信エリアの圏外で、スマホアプリを使った遭難対策ソフトは圏外では十分には機能しない。

普通の携帯スマホの圏外エリアで 山岳行動中 不意に 雪崩・滑落転落などで 突然 意識を失い 連絡するすべもなく 遭難する場合、 まったく行方不明となってしまい、やがて携帯スマホの電池切れとなり、行方がつかめない。

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山岳地帯でも通信エリアが拡大すれば 多くの問題は すぐに解決できるが 現状では 携帯電話の山岳地帯での通信エリア拡大は すぐには期待できない。

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■イリジウム衛星携帯電話

イリジウム衛星携帯電話を持参していれば圏外エリアは大幅に減るが 高いランニングコストに加え 深いゴルジュの谷間は イリジウム衛星携帯でも 厳しいかも?

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■雪崩ビーコンは457kHz

雪崩遭難捜索に使う雪崩ビーコンは457kHzの電波。

従来から雪山の雪崩対策で 使われていて、万国共通の周波数として ひろく普及している。

上空とか かなり 離れたところだと 他の雪崩ビーコンを拾ってしまう可能性があるが、最終的に数十メートル以内に 接近してきて 最終ピンポイントで探索する際には 457kHzビーコンは とても有効。

欠点は、やや高価で、すこし重く、電池持続はせいぜい一週間しかもたないことだ。

冬 荒天が 一週間以上も 続き ようやく 一週間ぶりの好天で いざ 探索に向かっても 遭難者の装着しているビーコンは すでに電池切れ。

持参していても、行動中でも 肝心なとき電源が入ってなかったり、休憩中、就寝中とかに 突然雪崩に襲われたりする場合もある。

また 雪崩ビーコンは IDでの識別がないので 同時には 3人ぐらいまでしか対応できない。

3人以上が同時に雪崩に襲われる場合には すべての発信元に 迅速な探索対応ができない。

大きな雪崩で 複数探索するには すばやい探索で 順次に探索し発信を止めていく 面倒な作業が必要。

2017年3月には 一度に8人死亡の雪崩遭難。

登山者のビーコン装着率を調査してみると、
頻繁に雪崩が発生し 雪崩遭難事故もよくおこる 駒ヶ岳千畳敷カールでさえ、登山者の約半数が ビーコン持参せずという 深刻な 非装着の現状。

さきの2017年GW大型連休で多発した雪崩遭難事故。

なかでも ビーコン装着なしの 行方不明者の捜索には 多大の労力時間がかかった。

いま開発中の「150MHz 帯の電波を使用する登山者等の位置検知システム」のなかには 457kHzの発信機能や 150MHzの送受信機能を使い 指定したID番号のみ発信できる ビーコン発信機能を付加することが可能で、ID番号指定の457kHzビーコン機能が発信できるとのことで、今後の機器の進化に期待が高まる。

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■冬期剱岳登山者用として貸し出している「ヤマタン」は 53MHz微弱電波。

微弱電波では 把握できないことが多い。

微弱電波では 当てのない捜索を広範囲から探索するのは とても厳しい。

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■ヒトココ ヤマモリ

もともと徘徊老人探索用だが 親機・子機とも 小型、電池持続は良好。

950MHz帯の特小・微弱電波なので、山岳地帯での電波伝搬性能は150MHzに比べ 大幅に劣る。

子機・親機共に GPS機能が付属していないので 正確な位置を伝達できず あくまで限定補助的な 電波方角探索だけの機能しか期待できず、電波反射などで惑わされることも 多々ある。

胸ポケットなどにいれて地面に倒れて人体が子機の上に覆いかぶさった場合、人体は水分が大きいので減衰度合が大きく 感度は大幅に低下する。

樹林帯 岩場 での 電波反射もかなりあり 探索を難しくする。

雪洞のなかに 子機を置いておくと 埋没した雪洞に戻ってきたときに 雪洞の位置を 探索するときには便利。

もっとも、雪山で 457kHz雪崩ビーコンの代用になるものではなく、雪崩遭難対策用には 必ず 「雪崩ビーコン使用」を メーカーは推奨している。

上空から探索する民間ヘリを活用した「ヘリココ」があるが 通報体制に課題。

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■920MHzを利用する「TREK TRACK」

「TREK TRACK」は920MHzで 150MHzに比べると 伝搬性能が劣り 出力に制限あり、補完する中継局の運用にも課題あるが、2016年秋実証実験開始、2017年度内実運用予定とか聞いている。

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■PLB (パーソナルロケータービーコン)

PLB(個人用捜索救助用ビーコン)
(Personal Locater Beacon)

国際的な衛星支援捜索救助システム
コスパスサーサットシステムで個人が使う遭難信号発信機。

日本国内の山岳遭難でも 使えたらいいが、現在 日本では海上遭難用。

イニシャルコストやランニングコストが 必要。

コスパスサーサットシステムは国際的には
EPIRB(Emergency Position Indicating Radio Beacon)
ELT(Emergency Locator Transmitter)
PLB(Personnel Locator Beacon)
など 普及している。

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■goTenna Beartooth 海外

海外では テキストメッセージ交換機能あり SOS発信機能あり

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■CHASER

429MHzの特小。残念ながら、もう いまでは販売されていない 過去の機器となってしまった。

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■遭難者の正確な位置情報把握 一番 期待の150MHz帯。

パーティー全員 同時に雪崩に遭遇するとか 滑落する とか

 最悪の突然の遭難の場合でも 遭難者の正確な位置情報が把握できれば いいのだが。。。

現在 様々な電波を使った いろいろな位置検知システムが提案・開発されているなかでも 、150MHzは 使う周波数帯が 山岳地帯では理想的なので、きわめて有効なシステムとして 使われるのではと 一番 期待が高まっている。

雪であろうと 多少の水深でも 御嶽噴火のような火山灰など でも電波飛距離 回析 など 150MHz帯は有利で、伝搬特性から 登山者位置通報システムの本命となりうる 一番の優位性を 秘めているのも150MHz帯だ。

コンクリート壁50cm 透過
水没10mでも検知が可能
御嶽山噴火のような火山灰に覆われた場合などでも10cm程度は十分透過
積雪下10mでも検知可能

この150MHz帯の周波数帯が関係する皆様の ご尽力で 2016年総務省省令改正で登山者用に使用できるようになった。

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■150MHz帯の電波を使用した登山者位置検知システム

既に動物追跡用とか猟犬探索用では実用化できているのが、2016年8月総務省令改正で 登山者用にも使えるようになった。(関係者のご尽力に感謝)

今回の 山岳遭難者の救助に向けた技術開発と今後の展望についてのセミナー で

 150MHz帯の電波を使用した登山者位置検知システムは

山岳地帯では電波伝播性能が特に秀でている150MHz帯の周波数帯を使う。

この周波数帯は 山岳地帯でもっとも有効に活躍できる システムとして正確な位置情報を伝達し捜索救難用に機能するものと確信。

システムは 2014年度モデル 2016年度モデルをへて 実証実験での成果をふまえ 確実に進化してきて、
端末はインストールされるソフトにより、SOS発信機にもなり、また、探知機にもなる。さらに、中継機能を有する。

さらに将来の発展への期待が 高まっている。

今後 さらに 457kHzの雪崩ビーコン機能も付加でき、150MHzの送受信機能を使い指定ID番号のみビーコン発信とか、

LoRa方式で通信エリア拡大して 出力100mwから500mwへ 増強、

より一層 小型軽量化がはかられる などなど、機能強化の発展余地が大きい。

いま 登山者位置検知システムは 端末の小型軽量化や リーズナブルな価格の商品化モデルや、基地局の 実運用に向けた 最終準備段階という 実用化の一歩手前まできたと感じた。

一刻もはやい 実用化を 期待する次第だ。

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■150MHzの周波数帯

富山県立大学では永年にわたり より高性能な登山者位置検知システムを研究開発され 条件 厳しい山岳地帯においても 安定して電波の伝搬性能に優れている周波数帯として 150MHzの周波数帯を選定。

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■登山者位置検知システムの利用モデル評価

平成28年 山岳地帯で実証試験で有効性を確認。

■【登山者位置検知システムの利用モデル評価報告書】
総務省北陸総合通信局報告書(座長 富山県立大学 岡田名誉教授)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000477847.pdf

(概要版)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000477848.pdf

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■【150MHz帯の電波を使用する登山者等の位置検知システムに関する調査検討会報告書】

http://www.soumu.go.jp/main_content/000350877.pdf

(概要版)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000350882.pdf
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平成27年(2015年)2月27日に高松で開催された「山の防災システムセミナー」 
このセミナーで 登山者位置検知システムについて ご登壇された 富山県立大学 岡田教授。(現在は名誉教授)

http://blog.goo.ne.jp/shumiyama/e/dd5b3ff8e3ce3b9effb32e17cdda0aaf

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山岳遭難者の救助に向けた技術開発と今後の展望についてのセミナー


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150MHz帯の電波を使用した登山者位置検知システム

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150MHz帯の電波を使用した登山者位置検知システム

手がかりのない行方不明の山岳遭難者探索には 多大な労力を消耗する。

電波を使った登山者位置検知システムが 活用できれば 迅速に探索救助活動が可能で、要救助者の探索救出にかかる労力は大幅に減少する。

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■150MHzの周波数帯

現在 様々な電波を使った いろいろな位置検知システムが提案・開発されている。

電波を使った装置として 従来から雪崩捜索に使う雪崩ビーコンは457kHzの微弱電波。

 富山県警が 冬期剱岳登山者用として貸し出している「ヤマタン」は 53MHz微弱電波で 位置特定が難しい。

やはり微弱電波では探索性能に難がある。

このため 富山県立大学では より高性能な登山者位置検知システムを永年にわたり研究開発されてきた。

いろいろ実験を重ね、検討した結果、 条件厳しい山岳地帯においても 安定して電波の伝搬性能に優れている周波数帯として 150MHzの周波数帯を選定。


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■平成27年 登山者等の位置検知システム調査検討報告書 ( 総務省北陸総合通信局 )
平成27年には 150MHz 帯の電波を使用する登山者等の位置検知システムに関する調査検討の報告書
http://www.soumu.go.jp/main_content/000350882.pdf
150MHzの周波数帯を使えると 飛躍的に高い性能が期待できる。

だが、150MHz帯の電波は、すでに狩猟用の猟犬追跡システムとして活用されている。登山者位置検知システムにも使えないだろうか。

■省令改正

期待は高まり、関係する皆様の ご尽力で 総務省の省令改正が平成28年に行われ 狩猟用の猟犬追跡システムとして活用されている150MHz帯の電波を 登山者にも拡大して使用できるようになった。

こうして高性能な登山者位置検知システムは 実際に運用できる条件が整ってきた。

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■登山者位置検知システムの利用モデル評価

平成28年には 登山者位置検知システムとして更に改良を加え、富山県立山を中心とした携帯電話が通じない山岳地帯で実証試験を行い有効性を確認。

150MHz帯という 有効な周波数帯が確保されて 極めて信頼性の高いシステムができつつある。

まもなく実用化の段階であり リーズナブルで手に入りやすい価格帯の端末がひろく一般に普及し 受けとめる受信側の親機などが、的確に配置されるなど 充実すれば システムとしてスムーズな運用ができるか どうかに かかってくる。

登山者位置検知システムとしては一番 いい条件の周波数帯だけに 将来的に とても期待できるシステムだ。

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■総務省北陸総合通信局

【登山者位置検知システムの利用モデル評価報告書】

富山県立大学岡田名誉教授が座長を努め、かねてから実証実験中だった 登山者位置検知システムの実証実験報告書。
登山者位置検知システムの利用モデル評価 報告書

http://www.soumu.go.jp/main_content/000477847.pdf

登山者位置検知システムの利用モデル評価 報告書(概要版)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000477848.pdf

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【150MHz帯の電波を使用する登山者等の位置検知システムに関する調査検討会報告書】

報告書及び報告書概要版 ( 総務省北陸総合通信局 )

■150MHz 帯の電波を使用する登山者等の位置検知システムに関する調査検討報告書
http://www.soumu.go.jp/main_content/000350877.pdf

■150MHz 帯の電波を使用する登山者等の位置検知システムに関する調査検討報告書(概要版)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000350882.pdf

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平成27年(2015年)2月27日に高松で開催された「山の防災システムセミナー」 
このセミナーで 登山者位置検知システムについて ご登壇された 富山県立大学 岡田教授。(現在は名誉教授)

http://blog.goo.ne.jp/shumiyama/e/dd5b3ff8e3ce3b9effb32e17cdda0aaf

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山岳遭難者の救助に向けた技術開発と今後の展望についてのセミナー

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【講演会】

「山岳遭難者の救助に向けた技術開発と今後の展望についてのセミナー開催」


http://www.hokurikutelecom.jp/20170531_sangakukyujo_ictseminar.html

近年の登山ブームで登山愛好者が増えています。しかしながら、山岳地帯では携帯電話が必ずしも利用できません。事故発生時に登山者と容易に連絡ができず、携帯電話の電波を使った位置情報も利用できないことが課題となっています。

 総務省では平成28年8月に省令を改正し、150MHz帯の電波を使用した動物検知システムの用途を人に拡大、これを受けて北陸総合通信局は、登山者位置検知システムの有効性を評価するため、富山県立山を中心とした携帯電話が通じない山岳地帯で実証試験を行いました。 

 本セミナーでは、近年の山岳遭難事故の現状を紹介し、登山者位置検知システムの実証実験の結果、開発したシステムの概要、小型軽量化などの課題と改善点、今後の展望を報告します。


日 時  平成29年5月31日(水) 13:30~16:00

場 所  富山県民会館 4F 401号室  富山市新総曲輪4-18

主催:総務省北陸総合通信局、公立大学法人富山県立大学、北陸情報通信協議会 

協賛:情報通信月間推進協議会

(PDF形式約910KB)
http://www.hokurikutelecom.jp/event/20170531/20170531_sangakukyujo_ictseminar_goannai.pdf

参加申込みは、以下のURLの申し込みフォームを使って 5月30日(火)まで。
http://www.hokurikutelecom.jp/20170531_sangakukyujo_ictseminar.html

総務省北陸総合通信局 無線通信部 企画調整課
TEL (076)233-4470 FAX(076)233-4489
freq-hokuriku <アットマーク> soumu.go.jp

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携帯・スマホ等を活用した遭難者の位置特定に関する調査検討会

「携帯・スマホ等を活用した遭難者の位置特定に関する調査検討会」

雪崩遭難者の救助にさいして 位置特定には 457kHzの雪崩ビーコンなどがあるが、遭難者 捜索者が 雪崩ビーコン不携帯の場合、捜索救助には多大な労力時間がかかる。

現在 広く普及している携帯・スマホ等を活用して雪崩等によって遭難者が雪の中に埋もれた状況においても早期に位置特定を可能とする捜索システムはできないものだろうか。

総務省北海道総合通信局 (無線通信部企画調整課)
平成28年6月「携帯・スマホ等を活用した遭難者の位置特定に関する調査検討会」(座長:北海道大学大学院 情報科学研究科 教授 大鐘 武雄(おおがね たけお))
では

遭難者が携行している携帯・スマホ等の電波を利用して 携帯・スマホ等が雪の中に埋もれた状況において、位置の特定につなげる方法等を検討。




遭難者が雪に埋もれている状態を想定し、雪の中にある携帯・スマホがGPS衛星からの信号をどの程度受信できるか、基地局との通信に使用する電波がどの程度減衰するか等の技術的試験を実施。携帯電話用の係留気球無線中継局を使用した公開実証試験を行った。







平成28年12月19日(月曜日) 10時40分から14時30分
説明会:羊蹄山ろく消防組合消防庁舎(北海道虻田郡倶知安町北3条東4丁目1番地3)
実演会:グラン・ヒラフ スキー場 (北海道虻田郡倶知安町字山田204)


マネキン人形に着せたスキーウェアの内側ポケットにスマートフォンを入れ、深さ約4mの雪に埋め、上空約70mに上げた係留気球無線中継局を使用して位置を特定できるかどうか検証。

その結果、専用のアプリケーションソフトを搭載したタブレット端末にマネキン人形の位置を地図上に表示することができ、スマートフォンとの通信も可能だった。

携帯電話やスマートフォンが雪の中に埋もれた状況において、積雪等がGPS衛星電波の受信及び携帯電話基地局との通信に及ぼす影響等について、技術的な検証を行い、雪に埋もれた携帯電話やスマートフォンと通信が可能な深さは、雪の含水率(雪質)が高くなるほど、入射角が大きくなるほど、周波数が低くなるほど、短くなる等の結果が得られた。









ドローン
さらに、迅速に遭難者の位置を特定するため、無線中継装置を搭載したドローンの活用も。


【総務省北海道総合通信局 (無線通信部企画調整課)】

「携帯・スマホ等を活用した遭難者の位置特定に関する調査検討会」
http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/R/20170330r.html

携帯・スマホ等を活用した遭難者の位置特定に関する調査検討結果 概要
http://www.soumu.go.jp/main_content/000476809.pdf

「TREK TRACK」は2016年秋実証実験開始、2017年度内実運用予定



https://youtu.be/W8JbvghtSRU

多発する山岳遭難。

救助要請しても 所在地がはっきりしないとか、全く手がかりない行方不明の遭難者を捜索するには 大変な労力や時間を要する。

遭難者の 正確な位置情報が大事だ。

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「当てのない捜索は 東京ドームで10円玉を探すに等しい」

『すぐそこにある遭難事故 奥多摩山岳救助隊員からの警鐘』
金 邦夫 著 2015年5月21日初版 東京新聞

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雪崩遭難には雪崩ビーコンが古くからあるが
最近では 現在地を特定できる 電子機器などが いくつも開発・実用化されている。

「TREK TRACK」は2016年秋実証実験開始、2017年度内実運用予定だ。


■LoRaWAN 920MHzを利用

日本では免許不要のサブギガ帯域である920MHzの特性を活かし、伝搬距離が長く、最大 10km 程度の長距離通信が可能なLoRaWANを利用。送受信できる親機を山中に適宜配置。

IDナンバーを割りあてた子機が 一分間隔で 時間・緯度・経度・標高を取得したものを 専用WEBサイトやスマホアプリに反映して表示 だれでも閲覧可能状態とする。

5センチ四方のボディーに15センチのアンテナをつけた子機の電池は一回の充電で一週間もつ。

現段階では 親機は15~20万円程度 子機は 1万円程度


■Web

http://trektrack.jp/


株式会社博報堂アイ・スタジオ
http://www.i-studio.co.jp/

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